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 いま日本は、これまでに慣れ親しんできた様々な当たり前を見直す局面を迎えています。 とりわけ演奏文化においては、急速なアップデートを要する厳しい状況となりました。職業音楽家の存続のみでなく、演奏会用ホールの存続も危ぶまれています。

 

 元来、演奏文化は音楽家の存在のみならず、様々なヒト・モノ・コトのプラットフォームとして機能してきた演奏会用ホールとの共同によって発展してきました。この共同によってこそ、豊かな音楽の時間と、音楽がいつもそばにあるという安心を、すべての人に提供し続けることができたと感じています。

 

 しかし、「ホールに通い、音楽を鑑賞する行為に”生命にかかわるリスク”を伴う時代がやってきた」ということは、音楽を愛する人たちに精神的な打撃を与えるのみでなく、ホールを中心に構築されてきた経済モデルに見直しが求められていることを意味します。つまり、従来のモデルをこの先継続したとしても、「ホール」「音楽家」「客」の3者間でのメリットの循環が成立しない可能性が高く、経済の危機的状況がやってくることが予測されます。

 

 これまでの演奏文化が、ホールと音楽家の共同で発展してきたように、いま、この危機もホールと音楽家の共同で乗り切るべきではないかと考えています。

 

 そこで、なんとかいま考えうる拙いアイデアをまとめ、すべての「演奏会用ホール」へ向けた「新しい演奏会モデルの可能性」を提案したいと思います。

 

 以下は、あくまでも音楽家の立場で作成したものであるため、ホールの運営実態が見えていない部分が多く、それゆえに実装には直結しない提案かもしれません。ただ、もしたたき台としてご検討いただいたり、お力になれることがあれば問合せを頂けると幸いです。

 

 最後に、いま、音楽家や演奏会用ホールは多くの不安を抱えていると思います。しかし、これからの安心を確立する道は私たちが見つけ、構築すべきものであり、挑戦すべき課題です。

 

 「ホールで演奏会ができる」。その当たり前はまた取り戻せると信じています。